「必ず、もう一度読み返したくなる」
「2回目以降は、まったく別の話が見えてくる」
といった感じで、それなりに評判になった本のようで、その見出しがすごく気になっていた。今年になってから文庫化されていたようで、本屋で見つけたときに、迷わず買って読んでみた。
評判だけ聞いたときは、伏線らしくなくわかりにくい伏線がたくさんあるのかな。としか思わなかった。
読み進めても、伏線に気づくこともなく、それどころか自分の中では謎なんかまったくないまま、ただただ読み終わってしまったが、ご多分に漏れず、読み終わった直後に、もう一度読み返してしまった。
とってもお勧めしたいし、おもしろさは伝えたい。でも、どんな話?なんて、ほとんど説明できない。
っていうような、ちょっと特殊な本。
ジャンルはミステリーとされているけど、別に殺人事件がおこるとか、そういう話ではない。
見方によっては、単なるありがちな恋愛小説でしかないとも言えると思う。そういうジャンルが苦手な人には、もしかしたら読むのが苦痛かもしれないといえるほど。
各章のタイトルが、懐メロの曲名であったり、物語の舞台が、昭和末期であったりと、単なる恋愛小説としてみても、今とは違う懐かしさは感じられると思う。
自宅の電話番号を覚えたりなんか、今じゃ、ないよね。
ただ、読んでから「ああ~~っ、なるほど~」というところがあって、この本はやっぱりミステリーなんだなってはっきり言える。
とりあえず、言えることは、「こういう、だまされ方なら、おれはまったくOK」