高橋克彦の短編集「眠らない少女」の文庫本を買った。
モスバーガーで食事をしたのだが、待ち時間にでも読もうと、先に隣の本屋に寄ったのだ。
最初の1篇、表題作の「眠らない少女」を読み終わる前に、
なぜか切り上げたくなってしまい、モスバーガーを出た。
ホラーに分類される話ではあるが、展開としても、怖くなる前の段階なのに、
なぜか怖かったのだ。
怖さを解決するために、帰宅後、一気に続きを読んだ。
続く「卒業写真」も、やはりお得意のジャンルで、記憶を題材にしたホラーのようなもの。
読みはじめてすぐに、10年以上前に読んだことがあるという記憶がわいてきた。
読み終わった今はっきりといえる。確かに以前に読んだ。
いつどの本で読んだのかは、記憶にない。ホラーもののアンソロジー本だろうか?
ふと、目次を見ると、知っているようなタイトルがいくつもある。
この本の単行本は、92年発行なので、これそのものを読んだのか?
いや、単行本を買ったことなど、数えるほどしかない。
それ以前に、「眠らない少女」を読んだのは、これがはじめてなのだ。
目次の中で見覚えのあるタイトルは、「私の骨」などといった、
確実に読んだと言いきれる短編集で読んだのであろう。
気になりだしたら止まらない。
「卒業写真」をどこで読んだのか?どの本に載っていたのだ?
ググっても、公式ファンサイトで著作一覧やアンソロジー一覧を見ても、
記憶と一致するような本が、ひとつも、ない。
おかしい。
どう考えても、おかしい。
曖昧な思い出同士をつなぐために、後になってから脳内で補完した記憶なのだろうか?
この記憶が、正しいものかどうか、実家の本棚をあさっても、答えは出ないだろう。
眠らない少女―高橋克彦自薦短編集 (角川文庫) 高橋 克彦 |